「SIer から出たいけど、自分の経験が外で通用するのか分からない」。5 年目の私がまさにそうでした。結論を先に書くと、その私は転職で年収が 200 万円上がりました。活動中は 2 つのサービスを並行して使い、結果はハッキリ分かれました。リクルートエージェントで紹介されたのは現年収と大差ない求人が中心。決め手になったのは、ビズリーチ経由で出会った事業会社からのオファーです。なぜ SIer を出ようと思ったのか、2 つのサービスで何が違ったのか、「先にやっておくべきだった」と後悔したことまで、実体験をそのまま書きます。
この記事を書いた人
- 現役エンジニア(SIer 5 年 → 事業会社 → 外資系。転職 2 回で現在年収 1,500 万)
- 本記事は 1 回目の転職(SIer → 事業会社)の実録です
- X: @detective_ai_en(日々の発信はこちら)
なぜ SIer を辞めようと思ったのか?
きっかけは 2 つあります。
1 つ目は、転職した先輩の年収を聞いたことです。事業会社に移った先輩と話す機会があり、仕事の中身を聞くと、正直、やっていることは SIer 時代とほとんど変わっていませんでした。それなのに、年収は明らかに上。同じことをやっているのに、いる場所を変えるだけで年収が上がる。この事実に心が動きました。スキルを磨いて評価を上げる努力は続けるとして、その前に「どこで働くか」だけでこれだけ差がつくなら、動かない方が損だと思ったのです。
2 つ目は技術です。当時の現場で扱っていたのは、安定しているが枯れた技術。動いているものを守る仕事の価値は理解しつつ、クラウドをはじめとする新しい技術を業務で使いたい気持ちが年々強くなっていました。個人で触ることはできても、業務で使う経験には代えられません。
「年収」と「技術」。どちらか片方なら我慢できたかもしれませんが、両方が揃ったとき、動かない理由がなくなりました。

「同じ仕事なのに場所で年収が変わる」と知った瞬間が、すべての始まりでした。
転職活動では何を使った?
並行して 2 つ使いました。
| サービス | タイプ | 私の結果 |
|---|---|---|
| リクルートエージェント | エージェント型(担当者が求人を紹介) | 現年収と大差ない求人が中心 |
| ビズリーチ | スカウト型(企業・ヘッドハンターから直接届く) | 年収 200 万アップの内定 |
リクルートエージェントはどうだった?
求人数は確かに多く、担当者の対応も問題ありませんでした。ただ、私のケースでは紹介される求人の年収レンジが現年収とほぼ同じでした。
今振り返ると、エージェント型は「現年収を基準に、確実に決まりそうな求人」を提案する構造になりやすいのだと思います。担当者は転職を成立させるのが仕事なので、堅い提案に寄るのは合理的です。「年収を大きく上げたい」という私の目的と、かみ合っていなかっただけの話です。
ビズリーチで何が変わった?
ビズリーチはスカウト型で、職務経歴書を登録しておくと企業やヘッドハンターから直接スカウトが届きます。ここで大きかったのは、現年収を知った上で「それでも欲しい」と言ってくれる企業から声がかかることです。
最終的に、事業会社から現年収 +200 万円の条件で内定をもらい、転職を決めました。SIer 時代に培った経験は、事業会社側から見ると「大規模で堅いシステムを運用してきた人材」として評価されました。SIer の経験は、売り方次第でちゃんと値段がつきます。
失敗談 2 つ:流行技術の壁と、事前調査の甘さ
うまくいった話だけでは実録にならないので、反省点も書きます。
失敗 1:流行の技術を追ったら、提示年収が下がった
当時は Kubernetes を使ったマイクロサービスが流行っていて、私も「次はこういう環境で働きたい」と思っていました。実際にそういう技術スタックの企業も受けています。
結果は、提示年収が現年収より下がるというものでした。理由はシンプルで、私にその領域の実務経験がなかったからです。企業側から見れば「未経験領域への挑戦を受け入れる代わりに、年収は経験相応で」というのは当然の提示です。
ここで学んだのは、「やりたい技術」と「高く売れる経験」は別物だということです。年収を上げる転職は「今持っている経験が高く評価される場所」に移ることで実現します。新しい技術は移った先で身につける。この順番に整理してから、活動の軸が定まりました。

売れるのは「やりたいこと」ではなく「やってきたこと」。悔しいけど、これが市場です。
失敗 2:事前の企業研究を怠った
ビズリーチは登録企業数が多く、スカウトも複数届きます。私は「届いたスカウトに反応する」という受け身の使い方をしてしまい、膨大な選択肢を前に、比較の軸がないまま場当たり的に判断していました。
やっておくべきだったのは、登録前に自分が行きたい企業・業界をある程度絞り、その企業の事業内容・技術スタック・年収レンジを調べておくことです。軸があれば、スカウトが来たときに「これは本命」「これは比較対象」と即座に仕分けできます。私はこれをやらなかったせいで、検討に余計な時間を使いました。
これから転職活動を始める人には、サービスに登録する前に行き先の候補リストを作ることをおすすめします。
活動期間は 1 ヶ月。業後の面接はきつい
転職活動の期間は約 1 ヶ月でした。短期集中で終えられたのは結果的に良かったのですが、しんどかったのは面接をすべて業務後にやっていたことです。
私が活動したのはコロナ禍より前で、面接はすべて対面。定時で上がって面接会場に向かい、終わって帰宅すると夜遅い。これを 1 ヶ月続けるのは、体力的にかなり消耗しました。
今はオンライン面接が広く定着しているので、この負担は当時よりだいぶ軽くなっているはずです。それでも「在職中の転職活動は、想像より体力を使う」という前提でスケジュールを組むことをおすすめします。活動期間を短く区切るのは、消耗を抑える意味でも有効でした。
まとめ:SIer 5 年目の転職で分かったこと
- 動機は「同じ仕事でも場所を変えるだけで年収が上がる」と知ったこと、そして新しい技術を使いたかったこと
- エージェント型(リクルートエージェント)は現年収基準の堅い求人に寄りやすい
- スカウト型(ビズリーチ)は現年収を超える評価に出会いやすく、私は +200 万で転職
- ただし「やりたい技術(当時は k8s×マイクロサービス)」で受けると、未経験領域ゆえに提示年収は下がった。高く売れるのは今持っている経験
- 反省点: 登録前に行きたい企業を絞って調べておくべきだった
- 活動期間は 1 ヶ月。在職中の業後面接は消耗するので、短期集中がおすすめ
年収を大きく上げたい SIer のエンジニアは、エージェント型だけで完結させず、スカウト型を並行して使うのが実体験としてのおすすめです。
なお、この転職には続きがあります。事業会社で積んだクラウドの経験を売り物に、2 回目の転職で外資系へ移りました。その実録はSIer出身エンジニアが2回の転職で年収1,500万になった話に書いています。
よくある質問
Q. SIer の経験は事業会社への転職で不利になりますか?
A. 私のケースでは不利になりませんでした。大規模システムの運用経験は「堅さ」の証明として評価されます。ただし、クラウド等のモダン技術への学習意欲はセットで示す必要があると感じました。
Q. ビズリーチは無料で使えますか?
A. 無料プランでも企業からのスカウト受信・返信は可能です。(※最新の料金体系は公式サイトで確認してください)
Q. 転職活動はどれくらいの期間かかりましたか?
A. 約 1 ヶ月です。応募から内定まで、在職しながらこの期間で終えました。
Q. 年収 200 万アップは誰でも可能ですか?
A. 誰でも可能とは言えません。現年収が市場評価より低く抑えられている場合(SIer から事業会社への移動はその典型)に起きやすい、というのが私の理解です。
Q. 在職中の転職活動はきついですか?
A. 正直きついです。私は業務後に対面面接をこなす生活を 1 ヶ月続けて、体力的にかなり消耗しました。今はオンライン面接が定着しているので当時よりは楽なはずですが、活動期間を短く区切るなど、消耗を抑える工夫はしておいて損はありません。


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