エンジニアの市場価値の調べ方|転職しなくても測れる方法を実体験で解説

エンジニアの市場価値の調べ方記事のアイキャッチ 技術とキャリア

「自分の市場価値って、実際いくらなんだろう」。気になるけれど、転職を決めたわけでもないのに調べ始めるのは大げさな気がする。SIer 5 年目の私が、まさにこの状態でした。先に結論を書くと、市場価値は転職しなくても測れます。方法は、職務経歴書を書いてスカウト型サービスに置き、企業からの反応を見ること。私はこの「測るだけのつもり」の行動から、最終的に年収 +200 万の転職につながりました。測り方の手順と、測ってみて分かったことを書きます。

この記事を書いた人

  • 現役エンジニア(SIer 5 年 → 事業会社 → 外資系。転職 2 回で現在年収 1,500 万)
  • 「市場価値を知りたい」から始めて年収 +200 万で転職した実体験
  • X: @detective_ai_en

そもそも市場価値は自分では分からない

社内評価と市場価値は別物です。私は SIer で普通の評価をもらっていましたが、「外に出たら自分の値段はいくらか」は社内のどこにも情報がありませんでした。同期との比較も、上司の評価も、市場の値段とは無関係です。

やっかいなのは、情報がないと自己評価が勝手に下がっていくことです。私は枯れた技術の現場にいたので、「モダンな技術に触れていない自分は市場では大したことない」と思い込んでいました。この思い込みは、後で実測してみたら外れていました。

市場価値を測る方法は 3 つある

私が知る限り、エンジニアが市場価値を測る方法は大きく 3 つです。

方法 手軽さ 精度 私の評価
年収診断ツール(入力式) ◎ 数分で終わる △ 統計値が出るだけ 話のタネ程度
転職エージェントとの面談 〇 面談 1 回 〇 相場観は分かる 相場は現年収基準に寄る
スカウト型に職務経歴書を置く 〇 書く手間はある ◎ 実際の企業の反応 これが実測

上 2 つは「推定値」です。診断ツールは属性の統計値が出るだけで、あなた個人の値段ではありません。エージェント面談は相場観としては役立ちますが、私の体験では提案が現年収基準に寄るため、上限は見えませんでした。

3 つ目だけは、実在の企業があなたの職務経歴書を読み、採用の意思を持って反応します。返ってくるのは統計値でも相場観でもなく、あなた個人への評価です。

実測の手順:職務経歴書を置いて反応を見る

私がやったことは 2 ステップだけです。

  1. 職務経歴書を書く(ここが一番大変。私が使った型は職務経歴書の書き方の記事にまとめました)
  2. スカウト型サービス(私はビズリーチ)に登録して待つ

これだけで、企業からの評価がスカウトの量と質という形で返ってきます。

  • : どれくらいの企業が自分に興味を持つか
  • : どの業界・どの規模・どの年収レンジの企業から声がかかるか

私の場合、登録してすぐスカウトが届き始め、毎日数十件のペースになりました。「自分の市場価値なんて大したことない」と思っていた人間には、この時点で自己認識の修正を迫られる体験です。さらにスカウトの中身を見ると、SIer での大規模システムの経験を評価する事業会社が多く、「何が売れるのか」まで分かりました。

いぬ
いぬ

自己評価は当てになりません。測ったら、思っていたより高かった。逆もあるはずです。

測るだけなら、転職しなくていい

ここが一番伝えたいことです。スカウトを受け取っても、返信する義務も転職する義務もありません

  • 登録情報は匿名です(企業からは「BU**様」のような表記で見えます)
  • 自分の会社から見えなくするブロック設定もあります
  • スカウトを見て「今は動かない」と判断するのも立派な結果です

私は「まず自分の値段を知る」つもりで始めて、届いたスカウトの条件を見てから転職を決めました。逆に、もしスカウトが少なければ「今は職務経歴書に書ける実績を増やす時期」という判断材料になります。どちらに転んでも、現在地が分かること自体に価値があります。

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」では、転職で賃金が増加した人は 40.5% です(出典: 厚生労働省 雇用動向調査)。自分がこの 4 割側に入れるかどうかは、想像で悩むより、測ってしまう方が早い。これが一度測った人間の実感です。

測った後の話:私は +200 万で転職した

測定結果を見て動くと決めてからの話は、別の記事に詳しく書いています。

ちなみに「測って、動く」を私は 2 回繰り返しました。2 回目は LinkedIn に職務経歴を置いたところから始まり、外資系への転職で年収 1,500 万になっています(2回目の実録はこちら)。

よくある質問

Q. 転職する気がないのにスカウトサービスに登録するのは失礼ではないですか?
A. 問題ありません。スカウト型は企業が興味を持った人に声をかける仕組みで、受け取る側に応答の義務はありません。私自身、最初は「測るだけ」のつもりで登録しました。

Q. 職務経歴書を書くのが面倒です。診断ツールではだめですか?
A. 現在地をざっくり知る入口としてはありです。ただし出てくるのは属性の統計値で、あなた個人への企業の評価ではありません。本気で測るなら職務経歴書を書く価値はありますし、書く過程で自分の経験が棚卸しされるので、それ自体に意味があります。

Q. スカウトが全然来なかったらどうすればいいですか?
A. それも重要な測定結果です。職務経歴書の書き方(具体性・数字)を見直すか、今の仕事で書ける実績を増やす時期だと判断できます。実務 1〜2 年で実績が薄い場合は、エージェント型で経験の言語化を手伝ってもらう方が先だと思います。

Q. 在職中に登録して会社にバレませんか?
A. 匿名表記に加えて、特定企業(自分の会社など)から見えなくするブロック設定があります。私も在職中に登録しましたが問題ありませんでした。

Q. 実務経験 3 年くらいでも市場価値は測れますか?
A. 測れます。むしろ 3 年は職務経歴書に書ける実績が揃い始める時期で、測る価値が出てくる頃です。私が 5 年で測ったとき「もっと早く知りたかった」と感じたのが正直なところです。

Q. 市場価値を高めるにはどうすればいいですか?
A. 私の実体験では「今の経験が高く売れる場所に移り、移った先で新しい技術の実務経験を積む」の繰り返しが効きました。資格より実務経験、それも「どの環境で何をやったか」が職務経歴書上の値段を決めます。詳しくは技術キャリアの順番論の記事に書いています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました