「このまま枯れた技術だけ触っていて、エンジニアとして大丈夫なのか」。SIer にいた頃の私は、この焦りを何年も抱えていました。先に結論を書くと、「モダンな技術を使いたい」という動機で転職する場合、未経験技術を転職の入口にすると年収は下がります。私は k8s×マイクロサービスの企業を受けて、現年収以下の提示を受けました。年収を下げずに技術環境を変えるには、「今の経験で入り、入った先で新技術を身につける」という順番が現実解です。SIer 5 年から事業会社へ +200 万で転職した実体験から、この順番論を書きます。
この記事を書いた人
- 現役エンジニア(SIer 5 年 → 事業会社 → 外資系。転職 2 回で現在年収 1,500 万)
- 転職活動で「流行技術の壁」に実際にぶつかった
- X: @detective_ai_en
焦りの正体:技術の鮮度=市場価値だと思っていた
SIer にいた頃の私の環境は、安定しているが枯れた技術が中心でした。動いているものを守る仕事の価値は理解しつつ、世の中はクラウドネイティブだ、k8s だ、マイクロサービスだと盛り上がっています。触っている技術の鮮度がそのまま自分の市場価値だと思っていたので、現場にいる時間が長くなるほど価値が目減りしていく感覚がありました。
焦りのまま動いた結果:提示年収ダウン
転職活動で、私は憧れの技術スタック(k8s×マイクロサービス)の企業を実際に受けました。
結果、提示年収は現年収より下でした。理由は明快で、その領域の実務経験がないからです。企業から見れば「未経験者の挑戦を受け入れる代わりに年収は経験相応で」というのはフェアな提示です。ショックでしたが、市場の論理としては筋が通っています。
学んだこと:「やりたい技術」と「高く売れる経験」は別物
ここで転職の軸を整理し直しました。
年収を上げるのは「今持っている経験」です。私の場合は SIer での大規模システムの経験で、これを高く評価する場所(事業会社)に移る。新しい技術は移った先で身につける。事業会社は技術の更新が速いので、業務の中でモダンな技術に触れる機会が巡ってきます。
この順番に切り替えて活動した結果、経験を評価してくれる事業会社から +200 万の内定を得ました。
そしてこの順番論は、入社初日に答え合わせができました。転職初日、AWS アカウントに入って Lambda を触ったのです。SIer 時代に業務で触れなかったクラウドが、経験を評価してくれた会社では初日から日常業務でした。

あれだけ焦って追いかけた「新しい技術」が、環境を変えたら初日に来ました。
SIer の経験は「枯れて」いない。売り方の問題
「枯れた技術しか経験がない」と自己評価が下がりがちですが、事業会社側から見れば、大規模で止められないシステムを運用してきた経験には値段がつきます。障害対応、非機能要件、関係者との調整。これらは技術スタックが変わっても持ち運べるスキルです。
市場全体で見ても、エンジニアの需要は職業平均より高い水準にあります。厚生労働省の「一般職業紹介状況」(令和8年5月分)では、情報処理・通信技術者の有効求人倍率は 1.30 倍と、職業計の 0.99 倍を上回っています(いずれも原数値。出典: 厚生労働省 一般職業紹介状況)。
技術トレンドの内側にいるかどうかで、市場価値は決まりません。決めるのは、その経験を高く買う相手がいるかどうかです。
まとめ:年収を下げない技術キャリアの順番
- 今の経験が高く売れる場所を探す(技術スタックは一旦脇に置く)
- その中で「技術の更新が速い環境」を選ぶ
- 移った先で新しい技術の実務経験を積む
- 次の転職では、その新しい経験が「高く売れる経験」になっている
焦って未経験技術に飛び込むより、この順番の方が年収もスキルも積み上がります。一度失敗しかけた私の結論です。
実際、私はステップ 4 まで検証済みです。事業会社で積んだクラウドの経験が 2 回目の転職の売り物になり、外資系で年収 1,500 万になりました。詳細は2回の転職で年収1,500万になった話に書いています。
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よくある質問
Q. 未経験技術に挑戦する転職は間違いですか?
A. 間違いではありません。年収を一時的に下げてでも領域を変える判断はあり得ます。ただし「年収も技術も同時に」は難しい、というのが私の実体験です。
Q. SIer の経験で事業会社に評価されるものは何ですか?
A. 私のケースでは大規模システムの運用経験でした。障害対応や非機能要件の知見は、事業会社でも通用する持ち運び可能なスキルです。
Q. 移った先で本当に新しい技術に触れられますか?
A. 私は触れられました。事業会社への転職初日に AWS アカウントに入り、Lambda を触っています。SIer 時代には業務で触る機会のなかったクラウドが、移った初日から日常業務になりました。もちろん企業によりますが、「技術の更新が速い環境か」を転職先選びの軸に入れておけば、外す確率は下げられます。



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