「年収1500万円の手取りはいくらなのか」。外資に転職して報酬提示を受けたとき、私が最初に検索したのがこれでした。出てきたのは手取り計算サイトばかりで、しかも数字が 1,013 万円、1,019 万円、1,023 万円とバラついている。結局どれなんだ、と思ったのを覚えています。
そこでこの記事では、自分の給与明細に書かれている控除額をそのまま公開します。支給 100 万円の月に、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税がそれぞれいくら引かれていたか。実額です。
先に結論を書くと、支給 100 万円に対して控除は 305,753 円(30.6%)、手取りは 694,247 円でした。額面の約 3 割が消えます。
そして明細を見て初めて分かったことが 3 つありました。厚生年金が上限額にピッタリ張り付いていたこと、源泉徴収されている所得税が RSU(株式報酬)を含まない金額で計算されていたこと、そして額面が上がっても手取りの伸びが鈍っていくこと。計算サイトに年収を入れるだけでは見えない部分です。
先にお断りを 2 つ。私は税理士ではありません。この記事は個人の体験記であり、税務アドバイスではありません。明細の数字は実額ですが、健康保険の料率は加入している健保組合によって違い、税額は家族構成や控除で変わります。私は 40 歳未満なので介護保険料も引かれていません。あなたの金額が同じになるわけではありません。制度の正確な内容は国税庁のサイトで、個別の判断は税務署か税理士に確認してください。
この記事を書いた人
- 現役エンジニア(SIer 5 年 → 事業会社 → 外資系。転職 2 回で現在年収 1,500 万)
- 報酬はベース + RSU の構成。RSU の確定申告も実際に経験
- 本記事の控除額は、自分の給与明細(支給 100 万円の月)に記載された実額です
- 詳しい経歴: 運営者情報
給与明細の実額:支給100万円の月、控除は305,753円だった
まず一次データを出します。ある月の給与明細(支給 100 万円)の控除欄です。
| 控除項目 | 金額 | 支給額に対する割合 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 45,227 円 | 4.52% |
| 厚生年金 | 59,475 円 | 5.95% |
| 雇用保険 | 5,131 円 | 0.51% |
| (社会保険料の小計) | 109,833 円 | 10.98% |
| 所得税 | 109,520 円 | 10.95% |
| 住民税 | 86,400 円 | 8.64% |
| 控除の合計 | 305,753 円 | 30.58% |
| 手取り | 694,247 円 | 69.42% |
支給 100 万円で、手元に残るのは約 69 万円。 約 30 万円が引かれます。
この 1 ヶ月を 12 倍すると、社会保険料が年 約 132 万円、源泉徴収された所得税が 約 131 万円、住民税が 約 104 万円。年間で 約 367 万円が天引きされている計算です。
ここから、額面 1,500 万円の年間の姿を組み立てます。私の報酬はベース(現金の給与)+ RSU(株式報酬)の構成で、上の明細はベースの部分です。ベースを年 1,200 万円、RSU を約 300 万円として、額面 1,500 万円の年間の内訳はこうなります。
| 項目 | 金額(年間) | 額面に対する割合 |
|---|---|---|
| 額面(給与収入) | 1,500 万円 | 100% |
| 社会保険料 | 約 132 万円 | 約 9% |
| 所得税(復興特別所得税込み) | 約 222 万円 | 約 15% |
| 住民税 | 約 114 万円 | 約 8% |
| 控除の合計 | 約 468 万円 | 約 31% |
| 手取り | 約 1,032 万円 | 約 69% |
月あたりにすると手取り 約 86 万円です(ただし RSU は vest のタイミングでまとまって入るので、毎月 86 万円が均等に振り込まれる形ではありません)。
計算サイトが出す 1,013〜1,023 万円より、私の場合は 10 万円ほど多く出ます。この差の理由が重要なので、少し詳しく書きます。
社会保険料が、計算サイトの想定より 約 20 万円少ないのです。
計算サイトは「年収 1,500 万円」を入れると、その 1,500 万円に対して社会保険料を計算します。ところが私の社会保険料は、明細のとおり 標準報酬月額(ベース給与から決まる金額) で決まっていて、RSU の分には社会保険料がかかっていません。社会保険料は月々の給与から決まる仕組みなので、外国親会社から付与される RSU は対象外です。
つまり年収 1,500 万円でも、社会保険料はベース 1,200 万円相当でしか掛かっていない。この構造が計算サイトの試算には反映されません。
もうひとつ小さい要因として、健康保険の料率があります。明細から逆算すると本人負担 4.62%(総料率 約 9.23%)で、協会けんぽ東京都の 9.98% より低い。料率の低い健康保険組合に加入しているためで、こちらは年 4 万円ほどの差です。同じ年収でも、加入している健保組合によって手取りは変わります。 計算サイトの数字がバラつく理由の一つがこれです。
計算の前提として、給与収入が 850 万円を超えると給与所得控除は 195 万円で上限に張り付きます。そしてもう一つ、明細を見て気づいた「上限」がありました。
明細で分かったこと1:厚生年金は、上限に張り付いていた
明細の厚生年金 59,475 円。この数字を見て気づいたことがあります。
厚生年金の保険料は「標準報酬月額 × 18.3%」を会社と半分ずつ負担する形で、本人負担は 9.15% です。そしてこの標準報酬月額には上限があり、第32等級の 650,000 円で打ち止めになります。
計算してみると、650,000 円 × 9.15% = 59,475 円。明細の金額と 1 円単位で一致しました。つまり私の厚生年金は、すでに上限に張り付いています。
これが意味するのは、額面がここから増えても、厚生年金保険料は 1 円も増えないということです。支給 100 万円でも 200 万円でも、標準報酬月額は 65 万円として扱われます。年収 1,000 万円の人と 1,500 万円の人で、厚生年金の負担額は同じです。
いっぽう健康保険は、標準報酬月額の上限が 139 万円(第50等級)なのでまだ上限まで距離があり、雇用保険にはそもそも標準報酬の上限という仕組みがありません。だからベース給与が増えると健康保険と雇用保険は増えるけれど、厚生年金は増えない。
そしてもっと大きいのが、前の節で書いたRSU には社会保険料がかからないという点です。上限に張り付いた厚生年金と、RSU が社保の対象外であることが重なって、社会保険料の負担率はこの年収帯では下がっていきます。 月次では支給の 11.0% だった社会保険料が、年収 1,500 万円で見ると 約 9% になっていたのはこのためです。

社会保険料には上限がある。だから高年収帯では、負担の主役が社会保険料から所得税に入れ替わります。
前提:RSUがあると「年収1,500万円」が固定値ではない
ここから所得税の話に入りますが、その前に外資の報酬構成を説明させてください。
私の報酬はベース(現金の給与)+ RSU(譲渡制限付株式ユニット)です。RSU は、譲渡制限が解除された日(vest 日)の株価で評価した金額が給与所得になります。つまり、付与された株数が同じでも、vest 日の株価と為替で円建ての額面が変わる。株価が上がった年は額面が増え、下がった年は減ります。
これが何を意味するか。試算サイトに「1500万」と入れて手取りを調べる行為そのものが、外資の報酬体系では前提が少し違うのです。私の場合、「今年の年収」は年度の終わりに vest の実績が確定してから初めて分かる、という感覚でした。日系の給与だけで暮らしていたときの「年収は年初に決まっているもの」という感覚とは、ここが明確に違います。

額面が確定するのが年末。株価次第で上下する部分がある、というのが一番大きな構造の違いでした。
そして、この構造が明細の所得税の欄に出ていました。
明細で分かったこと2:源泉徴収された所得税に、RSU分が入っていない
手取りの体感が試算とずれる最大の要因がこれです。明細の数字から逆算して確認できました。
明細の所得税は 109,520 円。12 ヶ月で 約 131 万円です。
いっぽう、ベース給与の 1,200 万円だけで年間の所得税を計算すると 約 129 万円。源泉徴収されている額とほぼ一致します。
では RSU を含めた額面 1,500 万円で計算するとどうなるか。所得税は 約 222 万円です。
| 年間の所得税 | |
|---|---|
| 明細から源泉徴収されている額(109,520 円 × 12) | 約 131 万円 |
| ベース1,200万円だけで計算した所得税 | 約 129 万円 |
| 額面1,500万円(RSU込み)で計算した所得税 | 約 222 万円 |
| 差額(確定申告で納めることになる分) | 約 91 万円 |
つまり、毎月天引きされている所得税は、RSU の分をまったく含んでいません。 外国親会社から付与される RSU は日本の給与計算の外で発生するため、源泉徴収されないことがあるからです。
結果としてこうなります。
- 手元に入ってくるとき(vest)は、税金が引かれていない
- 差額の 約 91 万円は、申告のタイミングでまとめて出ていく
年間の手取り 約 1,030 万円という数字自体は変わりません。変わるのはタイミングです。毎月きれいに 12 分の 1 ずつ引かれるのではなく、後から一括で持っていかれる。ここを知らずに「口座にこれだけあるから使える」と思っていると、申告の時期に慌てます。私はこれを事前に知れたので助かりましたが、そもそも申告が必要だと気づかないのが一番危ないところでした。

明細の所得税を12倍しても、払う税金の総額にはなりません。差額は申告時に一括です。
そして、翌年からは「予定納税」が来る
もうひとつ、私が事前に知らなかった仕組みがあります。予定納税です。
確定申告で納めた税額が一定以上になると、翌年からはその年の税金を前払いすることになります。国税庁の説明によると、前年分の所得や税額から計算した「予定納税基準額」が 15 万円以上になると対象で、その 3 分の 1 ずつを7 月と 11 月に納付します。対象になると、その年の 6 月 15 日までに税務署から通知が届きます。
私のケースに当てはめると、確定申告で納める差額が 約 91 万円なので、15 万円の基準は大きく超えます。仮に同じ水準が続けば、7 月と 11 月に 約 30 万円ずつ納め、翌年 3 月の確定申告で残りを精算するという形になります。
| 時期 | 納めるもの | 金額のイメージ |
|---|---|---|
| 1 年目・翌年3月の確定申告 | 源泉徴収されていない分をまとめて | 約 91 万円 |
| 2 年目・7 月(第1期) | 予定納税(前払い) | 約 30 万円 |
| 2 年目・11 月(第2期) | 予定納税(前払い) | 約 30 万円 |
| 2 年目・翌年3月の確定申告 | 残りを精算 | 約 30 万円 |
つまり、「後から一括」なのは初年度だけです。2 年目以降は年 3 回に分散されます。1 回あたりの負担は軽くなる代わりに、税金を払う月が年に 3 回ある状態が定常になります。
ここで気をつけたいのが、予定納税は前年の実績をもとに計算されることです。RSU は vest 日の株価で額面が変わるので、株価が下がった年は「去年の高い実績で計算された予定納税額」を納めることになります。この場合は減額申請という手続きがあります(国税庁の減額申請の案内)。
なお、私自身が予定納税の通知を受け取って納付するのはこれからなので、ここは制度を調べて把握した内容です。実際にやってみて分かったことがあれば追記します。
RSU の確定申告を実際にどうやったか(vest 日の TTM の調べ方、e-Tax での手順、つまずいた所)は、別記事に全部書いています。
→ RSUの確定申告を外資エンジニアが実際にやった話【つまずいた所も全部書く】
明細で分かったこと3:一番の想定外は「額面が上がっても手取りの伸びが鈍る」こと
そして、実際に年収が上がっていく過程で一番想定外だったのがこれです。額面が増えても、手取りは同じ割合では増えません。
まず、私の明細の数字を使って「RSU の 300 万円が乗ることで手取りがいくら増えたか」を見ます。社会保険料は実額(月 109,833 円 × 12)で固定して計算します。
| ベース1,200万のみ | 額面1,500万(RSU込み) | 差 | |
|---|---|---|---|
| 額面 | 1,200 万円 | 1,500 万円 | +300 万円 |
| 社会保険料 | 約 132 万円 | 約 132 万円 | ±0 円 |
| 所得税 | 約 129 万円 | 約 222 万円 | +93 万円 |
| 住民税 | 約 84 万円 | 約 114 万円 | +30 万円 |
| 手取り | 約 856 万円 | 約 1,032 万円 | +176 万円 |
| 手取りの割合 | 約 71% | 約 69% | −2 ポイント |
額面が 300 万円増えて、手取りの増加は 176 万円。 増えた分の 4 割強が税に消えます。
注目してほしいのは社会保険料が 1 円も増えていないところです。厚生年金は上限に張り付いていて、RSU には社会保険料がかからないためです。それでも手取りの割合は下がる。負担が増えているのは、まるごと所得税と住民税です。
理由は累進課税です。所得税は課税所得 900 万円超〜1,800 万円以下で税率 33%。ベース 1,200 万円だけなら課税所得は 825 万円で税率 23% の帯に収まりますが、RSU が乗ると課税所得 1,125 万円で 33% の帯に入ります。ここに住民税 10% が乗るので、この年収帯では「次の 1 万円」に対して約 43% の税率がかかっている状態です。額面を 100 万円増やしても、手取りの増加は 57 万円ほど。
年収 1,000 万円と比べると差はもっとはっきりします。
| 年収1,000万円 | 年収1,500万円 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 額面 | 1,000 万円 | 1,500 万円 | +500 万円 |
| 手取り | 約 727 万円 | 約 1,032 万円 | +305 万円 |
| 手取りの割合 | 約 73% | 約 69% | −4 ポイント |
これは転職前に理屈としては知っていました。でも実感として効いてくるのは実際にその立場になってからで、「年収を上げる」という目標の意味が少し変わりました。額面の数字を追うほど、1 万円の重みが軽くなっていく。 年収 500 万円から 700 万円に上げるときの生活の変化と、1,300 万円から 1,500 万円に上げるときの生活の変化は、額面の差が同じでも体感がまったく違います。

年収を上げる価値は、ある所から「生活が変わること」より「選択肢が増えること」に寄っていきます。
もうひとつ、地味に効くのが住民税のタイムラグです。住民税は前年の所得に対してかかります。私の明細の住民税は月 86,400 円ですが、これは前年の所得で決まった金額です。額面 1,500 万円ベースで計算すると月 約 94,600 円になるので、来年は月 8,000 円ほど増えることになります。年収が上がった年ではなく、その次の年の手取りが想定より少ない、という順番です。
控除の話:使えなくなるものが増える
金額の大小とは別に、年収が上がるとそもそも使えない控除や制度が増えていきます。所得制限があるものは、順番に対象から外れていきます。
代表的なのは配偶者控除で、本人の合計所得金額が 1,000 万円を超えると適用されません。住宅ローン控除にも所得要件があります。控除ではありませんが、子どもがいる家庭では保育料が所得に応じた区分で決まるので、ここも上限側に張り付きます。
なので「節税」でできることは、思っているより多くありません。私がやっているのは、ふるさと納税を確定申告にまとめる、という基本的なことくらいです。ここで一点だけ注意があって、RSU の分だけ所得が増えるので、ふるさと納税の上限額も RSU 込みの所得で考える必要があります。ベースの給与だけで上限シミュレーターに入れると、枠を余らせることになります(この話はRSU の記事にも書きました)。
なお、確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。RSU で申告する人は、最初から申告書に寄附金控除を書く前提でいた方が安全です。
それで、年収を上げる意味はあったのか
ここまで「額面ほど増えない」という話を続けたので、最後に正直なところを書きます。
それでも上げてよかったと思っています。 手取りの伸びが鈍るのは事実ですが、鈍っても増えることは増える。年収 1,000 万円から 1,500 万円で手取りは 約 305 万円増えました。月あたり 25 万円です。これは生活の余裕として明確に体感できる差です。
そして、額面が上がることの価値は手取りだけではありませんでした。同じ 1,500 万円の提示を受けられる立場になったこと自体が、次の転職での交渉の基準になるからです。転職市場では現在の年収が次の提示のベースになるので、一度上げた額面は次にも効きます。
ただ、順番として大事なのは「今の自分がいくらの提示を受けられるのか」を先に知ることでした。私は SIer 5 年目の頃、自分の市場価値を完全に見誤っていました。
→ エンジニアの市場価値の調べ方|転職しなくても測れる方法を実体験で解説
まとめ
- 明細の実額は支給 100 万円に対して控除 305,753 円・手取り 694,247 円(30.6%)。年間では額面 1,500 万円で手取り 約 1,032 万円(約 69%)
- 厚生年金は上限に張り付いていた(59,475 円 = 標準報酬月額の上限 65 万円 × 9.15%)。額面が増えても、ここは 1 円も増えない
- 源泉徴収されている所得税に RSU 分が入っていない。差の 約 91 万円は確定申告で納め、翌年からは予定納税で年 3 回に分かれる
- 一番の想定外は累進課税。社会保険料はまったく増えないのに手取りの割合は下がる。この年収帯の限界税率は約 43%
- それでも上げる価値はあった。年収 1,000 万→1,500 万で手取りは 約 305 万円増(月 25 万円)
外資エンジニアの年収 1,500 万円まで、SIer からどう到達したか(転職 2 回の過程・使ったサービス・英語の実態)は実録記事に書いています。
なお、この年収になって生活が実際どう変わったか(そして変わらなかったこと)は数字とは別の話なので、外資系エンジニアを3年やった結果に分けて書きました。手取りの伸びが鈍いこと以上に、変わらなかったものの方が印象に残っています。
関連記事: SIer出身エンジニアが2回の転職で年収1,500万になった話
関連記事: RSUの確定申告を外資エンジニアが実際にやった話
関連記事: エンジニアの市場価値の調べ方|転職しなくても測れる
よくある質問
Q. 年収1500万円の手取りは月いくらですか?
A. 私の給与明細では、支給 100 万円の月の手取りが 694,247 円でした。年間で額面 1,500 万円だと手取りは 約 1,032 万円なので、月あたりにすると 約 86 万円です。ただし外資の場合、RSU は vest のタイミングでまとまって入るので「毎月 86 万円が均等に振り込まれる」形とは違いました。
Q. 年収1500万円だと税金はいくらですか?
A. 私の明細をもとに年間で計算すると、所得税が約 222 万円(復興特別所得税込み)、住民税が約 114 万円、社会保険料が約 132 万円で、合計 468 万円ほどです。額面の約 3 割にあたります。家族構成や加入している健康保険組合の料率で変わるので、正確な金額は源泉徴収票と国税庁のサイトで確認してください。
Q. 年収1000万円と1500万円で手取りはどれくらい違いますか?
A. 私の社会保険料の実額をもとに計算すると、約 727 万円と約 1,032 万円で、差は 約 305 万円です。額面の差 500 万円に対して、手取りの差は 300 万円ほど。増えた分の 4 割が税と社会保険料に消えます。この年収帯の限界税率が約 43%(所得税 33% + 住民税 10%)だからです。
Q. 年収1500万円は思ったほど余裕がないと聞きますが本当ですか?
A. 「額面の印象ほどではない」というのは正確だと思います。手取りは約 69% に落ちますし、所得制限で使えない控除も増えます。ただ私の実感としては、生活の余裕は明確に増えました。額面の数字から受ける印象と実際の手取りにギャップがある、という理解が妥当だと思います。
Q. 厚生年金の保険料は年収が上がると増え続けますか?
A. 増えません。厚生年金の標準報酬月額には上限(65 万円)があり、本人負担はそこで 59,475 円で打ち止めです。私の明細もこの金額とピッタリ一致していました。年収 1,000 万円の人と 1,500 万円の人で、厚生年金の負担額は同じです。いっぽう健康保険は標準報酬月額の上限が 139 万円なのでまだ増える余地があり、雇用保険には上限がないので額面に連動します。
Q. 予定納税とは何ですか?RSUがあると対象になりますか?
A. その年の所得税を前払いする制度です。前年分から計算した予定納税基準額が 15 万円以上だと対象になり、3 分の 1 ずつを 7 月と 11 月に納めます(国税庁 No.2040)。RSU が源泉徴収されていないと確定申告で納める額が大きくなるので、この基準を超えやすくなります。私の試算では納める差額が 約 91 万円なので、基準は大きく超える計算です。対象になると 6 月 15 日までに税務署から通知が届きます。なお、株価が下がって前年より所得が減る見込みの場合は減額申請という手続きがあります。
Q. 介護保険料はいつから引かれますか?
A. 40 歳になった月からです。私の明細には介護保険料の控除がありません(まだ 40 歳未満のため)。つまり年収が変わらなくても、40 歳になった時点で手取りが減ります。料率は加入している健保組合によりますが、標準報酬月額 98 万円なら月 8,000〜10,000 円、年 10 万円前後の負担増になる計算です。手取りを試算するときは、自分が 40 歳以上かどうかで結果が変わる点に注意してください。
Q. RSUがあると手取りの計算はどう変わりますか?
A. 計算式そのものは給与所得として同じですが、3 つ違いがあります。ひとつは vest 日の株価と為替で額面が変動すること。ふたつめは源泉徴収されないことがあり、確定申告でまとめて納税する形になること。私の明細では、天引きされている所得税がベース給与だけで計算された金額(RSU 込みで計算すると 約 91 万円足りない)でした。3 つめは RSU には社会保険料がかからないことです。金額ではなくお金が出ていくタイミングが変わる、という理解が実態に近いです。
Q. 年収が上がったら節税で手取りを増やせますか?
A. 会社員でできることは思っているより限られていました。所得制限で使えなくなる控除が増えていくためです。私がやっているのはふるさと納税を確定申告にまとめる程度です。なお RSU があると所得が増えるので、ふるさと納税の上限も RSU 込みで計算する必要があります。
Q. 外資エンジニアで年収1500万円は普通ですか?
A. 私の周囲を見ると、外資でこの水準は「特別に高い」というより到達しうるレンジという感覚です。ただしベース + RSU の構成で、株価によって上下する部分を含んでの金額です。どうやってそこまで到達したかは外資転職の実録に書いています。



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