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「外資は英語ペラペラのすごい人が行くところ」。SIer にいた頃の私は本気でそう思っていました。先に現在地を書くと、SIer 出身の私は 2 回の転職を経て外資系企業で働いていて、年収は 1,500 万円です。英語面接なしで、です。1 回目の転職(SIer → 事業会社、+200 万)の続きにあたるこの記事では、2 回目の転職で何をやったか、外資の選考は何が違ったか、そして「SIer からいきなり外資」ではなくこの順番だったことに意味があったのか、を実体験で書きます。
この記事を書いた人
- 現役エンジニア(SIer 5 年 → 事業会社 → 外資系。転職 2 回で現在年収 1,500 万)
- 本記事は 2 回目の転職(事業会社 → 外資)の実録です
- 詳しい経歴: 運営者情報
前回までのあらすじ:SIer → 事業会社で +200 万
1 回目の転職の詳細は別記事に書きましたが、要点は 2 つです。
- 年収を上げたのは「SIer での大規模システムの経験」を高く評価する場所(事業会社)に移ったこと
- 移った先で、SIer 時代に触れなかったクラウド(AWS)の実務経験を積んだこと
このとき身につけたクラウドの経験が、そのまま 2 回目の転職の「売り物」になります。以前の記事で書いた「今の経験で入り、入った先で新技術を身につける」という順番論の、これが 2 周目です。
なぜ 2 回目の転職をしようと思ったのか
動いたのは社会人 8 年目。事業会社に移って 3 年ほど経った頃です。
きっかけは子供の誕生でした。家族が増えると、年収は「あればうれしいもの」から「必要なもの」に変わります。1 回目の転職は「同じ仕事なのに場所で年収が変わるなら動かないと損」という発見駆動でしたが、2 回目は守るものができたことによる、もっと現実的な動機でした。
もうひとつはスキルアップです。事業会社でクラウドの実務経験は積めましたが、より高いレベルの環境に身を置きたい気持ちが強くなっていました。1 回目と同じ「年収」と「技術」の 2 点セット。私の場合、転職を決めるのはいつもこの組み合わせのようです。
使ったのは LinkedIn。ヘッドハンターから声がかかった
2 回目の転職の入口は LinkedIn でした。プロフィールと職務経歴を英語で登録して活動していたところ、人材紹介会社ヘイズ(Hays)のコンサルタントから声をかけていただき、外資の求人を紹介されたのが直接のきっかけです。
1 回目のビズリーチと構図は同じで、職務経歴を「見える場所」に置いておくと、向こうから機会がやってくる。ただし外資の求人は LinkedIn と外資系エージェント(ヘイズ、ロバート・ウォルターズ、JAC など)に集まりやすく、日系サービスとは市場の入口が違います。外資を視野に入れるなら、LinkedIn のプロフィール整備は職務経歴書と同じくらい重要だと実感しました。
外資系に強いエージェントは他にもあります。たとえばエンワールドは、外資系・日系グローバル企業に特化したエージェントで、IT・Web・通信の職種も扱っています。求人検索の年収帯は 600 万円以上から 2,000 万円以上までで、国内の外資系企業の約 9 割と取引があると公式に説明しています。私が使ったヘイズと同じ「外資の入口」の一つです。私自身が使ったのは LinkedIn 経由のヘイズなので使用感までは語れませんが、外資を狙うなら、こうした外資特化のエージェントに複数登録して求人の入口を増やしておくのは理にかなっています(求職者は無料です)。

1 回目はビズリーチ、2 回目は LinkedIn。どちらも「置いておいたら声がかかった」でした。
外資の選考は何が違った?
事業会社への転職と比べて、選考の中身は明確に違いました。
1. 技術テストは「アーキテクチャ設計」だった
私のケースでは、選考にアーキテクチャ設計のテストがありました。要件に対してシステム構成を設計し、その判断理由を説明するタイプの試験です。ここで効いたのが、事業会社で積んだクラウドの実務経験でした。SIer 時代の知識だけで挑んでいたら、設計の引き出しが足りなかったと思います。
2. 英語面接はなかった
私の選考では英語の面接はありませんでした。「外資=英語ペラペラが前提」というイメージで最初から候補を外している人は、機会を捨てている可能性があります。
英語がどこまで必要かは「選考時・入社時・活躍する段階」で全く違い、要るのは入るときではなく活躍するときでした。この 3 段階の温度感は別記事に切り出しています。
→ 外資系エンジニアに英語はどこまで必要?英語面接なしで入った実体験
要るのが「活躍する段階」だと分かったので、私は入社してから英語の学習を始めました。毎朝 1 時間のオンライン英会話を 1 年続けた記録はネイティブキャンプの本音レビューに書いています。
3. 面接回数が多い。これが一番きつかった
正直に書くと、一番消耗したのは面接の回数でした。日系の選考より面接のステップが多く、在職中に 1 回ずつ日程を確保して臨むのは、体力的にも精神的にも削られます。外資の選考を受けるなら「回数が多い前提」でスケジュールを組むことをおすすめします。
年収 1,500 万の構成:ベース + RSU
現在の年収 1,500 万円の構成は、ベース給与 + RSU(譲渡制限付株式ユニット)です。
RSU は自社株が毎年段階的に付与される報酬で、外資 IT の報酬パッケージではよくある形です。日系の「基本給+賞与」との大きな違いは、報酬の一部が株価と連動すること。株価が上がれば年収も膨らみますが、逆もあります。「年収 1,500 万」と一言で言っても、日系の現金 1,500 万とは性質が違う、というのは外資の報酬を見るときに知っておくべき点です。
求人票や内定条件を見るときは、「ベースがいくらで、株や変動要素がいくらか」を分けて確認することをおすすめします。生活の基盤はベースで考え、RSU は上振れ要素として扱うのが、私の感覚では健全です。
なお、額面 1,500 万円が実際にどれくらいの手取りになるのかは、給与明細の控除額を実額で公開して別記事にまとめました。RSU があると源泉徴収の扱いがどう変わるかも書いています。
→ 年収1500万円の手取りは約1,030万円|給与明細の控除額を公開
SIer からいきなり外資は無理だったのか?
これは正直、私には分かりません。私が言えるのは、私の場合は事業会社を挟んだことで、外資に評価される経験(クラウドの実務)が手に入ったという事実だけです。
SIer 時代の私の職務経歴書で外資に応募していたら、と考えると、売り物になる経験の欄が薄かったのは確かです。「今の経験が売れる場所に移る → 移った先で次の売り物を仕込む」を 2 回繰り返した結果が年収 1,500 万だった、というのが私のキャリアの実際の形です。
その SIer 時代の職務経歴書の中身と、外資には足りなかったが事業会社には通用した書き方はSIerエンジニアの職務経歴書の例文3パターンにまとめています。

一発逆転ではなく 2 段ロケット。1 段目で得た経験が 2 段目の燃料でした。
この記事は「外資に入るまで」の話です。入った後の3年間で何がきつくて何が楽だったか(評価はどう決まるのか、レイオフは実際どうだったか)は別記事に時系列で書きました。
→ 外資系エンジニアを3年やった結果|年収1500万の裏側を正直に書く
まとめ
- SIer → 外資の直行ではなく、事業会社で「外資に売れる経験」を作ってからの 2 段階だった
- 順番論(経験で入る → 新技術を仕込む → 次の売り物にする)は 2 周目も機能した
- 外資の入口は LinkedIn + 外資系エージェント。日系サービスとは市場が分かれている
- 選考のきつさは英語より「アーキテクチャ設計テスト」と「面接回数の多さ」だった
外資の求人は入口が分かれているので、まずは求人が集まる場所に自分を置くところからです。LinkedIn のプロフィールを英語で整えるのと並行して、エンワールドのような外資特化のエージェントに登録しておくと、外資の求人に触れる機会が増えます。外資系・日系グローバル企業に絞って求人を扱っていて、求職者は無料です。ただし登録すれば必ず面談してもらえるわけではなく、紹介できる求人がある場合に 5 営業日以内に連絡が来る形なので、そこは期待値を合わせておいてください(公式FAQ の記載)。繰り返しになりますが、私が実際に通ったのは LinkedIn 経由のヘイズで、エンワールドは使っていません(使用感は語れないので、公式の記載にもとづく紹介です)。
対象・登録後の流れ・英語力の扱い・支援の範囲は、外資の選考で必要だった材料と合わせて別記事に整理しました。
→ エンワールドはエンジニア向き?登録前に確認したい英語力と流れ
関連記事: SIerから事業会社へ転職して年収200万上がった話
関連記事: エンジニアの市場価値の調べ方|転職しなくても測れる
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よくある質問
Q. 外資に行くには英語が必須ですか?
A. 私のケースでは選考に英語面接はなく、入社にも必須ではありませんでした。ただし実務では、英語ができるとグローバルチームとの会話で仕事を進めやすくなるのは確かです。結局のところ企業とロール次第なので、「英語が不安だから外資は無理」と最初から候補を外すのはもったいない、が私の実感です。私自身は入社後に学習を始めました(ネイティブキャンプを毎朝 1 時間、1 年続けている話)。
Q. SIer から直接外資に行けますか?
A. 行ける人もいると思いますが、私は事業会社を挟みました。理由は本文の「SIer からいきなり外資は無理だったのか?」に書いたとおりです。
Q. 外資は不安定と聞きますが実際どうですか?
A. リストラの話は実際にあります。ただ、その場合も退職パッケージ(上乗せ退職金)が出るケースを私の周囲ではよく聞きます。それ以上に、外資での実務経験は転職市場で強く評価されるので、「ここで経験を積めば次はどこにでも行ける」という意味で、私自身は不安を感じていません。安定を雇用の継続に求めるか、市場価値に求めるかの違いだと思います。入社後3年でレイオフを実際に見た話とパッケージの受け取り方は外資3年の記録に書きました。
Q. RSU とは何ですか?
A. 譲渡制限付株式ユニット(Restricted Stock Unit)のことで、自社株が段階的に付与される報酬です。詳しくは本文の「年収 1,500 万の構成」に書きました。なお、RSU には確定申告が必要になるケースがあります(実際にやった記録はこちら)。
Q. LinkedIn のプロフィールは英語で書くべきですか?
A. 外資を視野に入れるなら英語で書いておく価値があります。私は英語で職務経歴を登録していて、そこにヘイズのコンサルタントから声がかかったのが外資転職の入口でした。日本語だけのプロフィールでは、外資の採用市場からあなたが見えません。




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